日常と非日常

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好きな人に呼ばれる“先生”の破壊力 半端ない。俺はどうでもいいことを考えていた。 「なんか、生徒や保護者の方以外にそう呼ばれるのなんか新鮮」 「なんか、ごめんなさい」 「いやいや、新鮮で嬉しかったです」ちょっと微妙な空気が流れる。いやな空気ではないけど…。気まずい。 「あっ 電車の時間」佐倉さんが駅にある時計をみる。 「また、パン買いにきてください。お呼び止めしてごめんなさい。じゃ」と佐倉さんが小さく手をふる。 「あっはい 気をつけて」と俺もつられて小さく手をふってしまい、はっとする。 駅の中に消えていく佐倉さんを目で追いかけながら、なんか恋人っぽい別れ方じゃん?とにやけてしまう。  かなり距離、近づいたんじゃね?それより、佐倉さんに“先生”と呼ばれた声が、耳にこだまする。半年の片思いが進展したような気持ちに、少し浮足立ってしまう。休日の終わりで重いはずの足取りも、急に軽くなった気がした。
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