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「お疲れ様です」バイトのきいちゃんとお店を出ようとすると、
「あっ 二人とも飯でもどう?」と店長に呼び止められた。たまにこういうことがある。独り暮らしの店長は、たまにスタッフをごはんに誘ってくれる。 まぁファミレスとかだけど、忘新年会以外にもこうやってるから、スタッフが仲良くいい雰囲気の職場ができてるのかも。
「さなちゃんどうする?」きいちゃんが私を見る。
「私は予定ないし、行こうかなぁ」
「じゃぁうちも行く」と言ったあと、きいちゃんはスマホを少しいじった。すぐにピロンと音がして、返信があったことを知らせる。
「大丈夫?」と店長がきいちゃんにたずねると、
「はいっ!」と笑顔で答えてから
「1時間半くらいで、彼氏が迎えに来てくれるって」と付け加えた。
それを聞いて、3人で近くの定食屋さんにむかった。
いいなぁ “彼氏”かぁ 男の人には甘えたり、手を繋いだり、ちょっと今あこがれる。
彼氏と聞いて思い浮かぶのはやっぱり先生だ。
お店について注文を済ませると、きいちゃんがニコニコしながら
「そういえば あの人と進展あったんだってぇ」と私に顔を近づけた。“あの人”って先生だよね。
「う うん まぁ進展というかねぇ」
「なんか今日幸せそうなオーラでてたから、柳さんに聞いたら、進展してるっていうからさぁ」
「まぁ ちょっと話しただけだけどね」
もう 柳さんてば、そう思いつつも話したい自分もいる。
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