21人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「相川先生 最近加宮ベーカリー行くらしいですね」職員室で隣の佐藤 呂久先生に話しかけられる。ガタイも人当たりもよく、さわやかで男女問わず人気の先生だ。加宮ベーカリーとは、佐倉さんが働いているパン屋だ。 佐藤先生は生徒と雑談していることも多いから、そこで生徒から聞いたのかも知れない。
「あぁ はぁ。あそこのパンが給食のパンだと聞いて‥」
「なるほど 給食のパン うまいですからね」思い出したら はらへったな と笑う。
「高校の時のツレがあそこでバイトしてて、よく学校帰りによって、店長にいろいろサービスしてもらったなぁ」と懐かしそうに、天井のほうに目をやる、佐藤先生。
「へぇ じゃあ 今でも行ったりするんですか?」彼女に繋がる何かが欲しくて、ちょっと聞いてみる。
「店長はじいちゃんになっちゃったしなぁ、確か、相川先生くらいの年の息子さんに代替わりしたからな。最近はいってないなぁ」
やっぱりそうだよな。パン屋で、佐藤先生に会ったことないし…。
「でも、味は変わらずうまいし、今でも学生に人気ですよね?」
と佐藤先生は付け加えた。
最初のコメントを投稿しよう!