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外のベンチで、先生はスマホを見ていた。
お店の脇の自販機でお茶を買って、先生の元へ歩き出す。
「お待たせしました」私の声に、先生が顔をあげる。
「お疲れ様です」にっこり笑うその顔に、むねがキュンとなる。
「あっ、あのよかったらこれ」とお茶を渡す。
「あぁ ありがとうございます」先生は遠慮なく、とお茶を受けとる
「お疲れのところすいません」
「いえ こちらこそ」少しの沈黙。
「あの 座りますかね」ぎこちなく言うと、先生は慌ててベンチに私を促して、先生も並んで腰をおろす。私はお茶を開けて一口飲む。
先生も
「いただきます」とお茶を口にする。
「あの」先生が思いきったように私の方にむく。
「あの、店長さんとはその…どういう関係って言うか‥‥」先生は言葉を濁す。
「店長?」どういう関係って?思いもしない質問に驚く。
「その、お付き合いとか、あの」先生はしどろもどろだけど、私と店長が付き合ってるのかどうか、聞きたいようだ。
「私と店長ですか?」そう聞き返すと、先生はこくんと頷く。
「付き合ってないですよ」いや一体どこからそんなことになってるの?
「え? でも 前に駅で2人で‥‥」あっ、もしかして駅まで送ってもらったの、見られてたのかなぁ?
「あぁ。スタッフみんなでよくご飯行くんですけど、たまたま店長も駅の近くに住んでるんで、一緒に帰ることあるんです」
「あぁ」先生は納得したように呟く
これって、期待していい展開?だよね?
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