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先生side
気合い入れて、覚悟決めて来たのに、いざ2人になると緊張から黙ってしまう。佐倉さんにもらったお茶を一口飲んで、無駄に噛み締める。
まず一番聞きたいことを聞こう。
そうおもったけど、言葉にしたらしどろもどろになる。
やっとの思いで、佐倉さんと店長さんの関係を聞く。
佐倉さんは意外なことを聞かれたと言うように、驚いたようだった。
「スタッフみんなでよくご飯行くんですけど、たまたま店長も駅の近くに住んでるんで、一緒に帰ることあるんです」
そうなのか…。でもその葉とはっきりと、
「店長とは付き合ってません」と聞かされてほっとした。
あとは佐倉さんの気持ちを聞くだけ。6割、いや、7割いけるんじゃないかと、確信のない自信が湧いてきている自分が。
でも、なかなか思いきれなくて、また沈黙が空間を支配する。
「先生。よかったら、またパン食べてくださいね。給食だけじゃなくて」突然 佐倉さんが沈黙を破る。
「まぁ、無理にじゃないですけど、スタッフのみんなとも話してたんですよ。 先生どうしたのかな?って」そう言って笑う。
「あぁ すいません。ちょっと忙しくて…」とどうでもいいうそをつく。
「‥‥パンに飽きちゃったのかな?とか、思って‥‥私…は」急に言葉につまる佐倉さん。不思議に思って横に座ってる佐倉さんを見ると、佐倉さんは泣いていた。え?え? なんで? てんぱってしまう。
「私は、あの、ごめんなさい、私は、先生が来てくれなくて、さ…さみし…さみしかったです」涙を拭いながら、ごめんなさい、と小さく謝る佐倉さん。それは俺に会えなくてさみしかったの?
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