昼と夜の境で愛を紡ごう

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「離れて暮らしても彼のことが忘れられず、プロポーズされたときもすぐにイエスと言いたかったんです」 女性を思いとどまらせたのは一緒に暮らすのが難しいことだった。喧嘩するわけではなく、お互いが嫌なのではない。自然と同じ屋根の下に住むことを解消してしまうのだ。だからといって、二人が想い合っていないわけではない。それどころか、燃え上がるような胸の熱い炎はおさまることがなかった。 「もう一度言いましょう。あなた方は、とても良いカップルです。神々が祝福しているといって良いでしょう。結婚もできるし子どもももてます。素晴らしい夫婦になりますよ。これだけは確かです」 「こんなに好きでも、一緒には暮らせないんですね」 顔をふせた女に占い師は明るい口調で、はいと軽くうなづいた。
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