昼と夜の境で愛を紡ごう

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私は昼の女。昼しか活動できない私は、夜になればこの世界から姿を消す。夜は暗闇の中、無を過ごし、朝日と共に新たな1日を刻むのだ。だから私は夜の顔を知らない。夜のできごとを知らない。夜の優しさを知らない。 俺は夜の男だ。太陽が真っ赤になって地平線に沈むころ、俺はむっくり起き上がり、月と星空が遊ぶ中、夜の中を歩き回るのだ。そうして太陽が地平線から顔をのぞかせるころ、朝日の光の中にとけて眠る。だから俺は昼の顔を知らない。昼のできごとを知らない。昼の輝かしさを知らない。
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