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 20歳。  11月の夕暮れ。  友人とキャンプに行ったとき、そのキャンプ場で子供2人が失踪した。    30歳。  11月の夕暮れ。  夫と温泉旅行へ行ったとき、宿泊先のホテルで子供2人が失踪した。  20歳のときは、偶然だろうと思った。  でも、30歳のとき、これは偶然ではないと気付いた。  10年おきに、私の周りで子供2人が行方不明になる。    そして、度々見る悪夢。  子供たちの泣き叫ぶ声。  噎せ返るような血の匂い。  真っ赤な空の下、私は、子供たちの頭や腹に(かぶ)りつく。  早く止めなければ……。  そう思っているのに、子供たちを喰い殺すのを止められない。  むしろ心の奥底では、恍惚感すら覚えている自分がいる。    私はようやく理解した。  ミツさんは「土偶を壊して『それ』を殺した」と言っていたけど、違う。  『それ』は死ななかった。自分が入る『(うつわ)』を失っただけ。  器を失った『それ』は、ミツさんの中に入った。ミツさんを次の器にしたんだ。  その後、私がミツさん……『それ』の器を殺した。  だから、次の器は私。  私の中には、『それ』が棲んでいる。  先日、私は40歳になった。  明日から11月に入る。  久しぶりのご馳走。  次の生贄は、誰かな?
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