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鍛え上げられた筋肉。無駄の無い身体をしていた。
何を鎧で隠す必要があるかと言いたくなるが、その身体には目を覆いたくなる程に無数の傷跡があった。
端正な顔立ちにも頬に大きな傷跡が斜めに走っている。
そして何より異質なのが、黒い影が出口を求めるかの様にエリオットの皮膚下を這いずり回っていた…。
「エリオットー!入るわよ〜!」
元気な声が響き、その声に反応するより早く、ドアは大きく開け放たれ、リリーシアが現れた。
「この時間なら居ると思ったわ!
美味しいお菓子とお茶を持って来たのよ!
お話ししましょう♪」
絶句中の相手をよそに、リリーシアは中に入り込み、勝手に机にお菓子を広げ持ち込みカップにお茶を注ぐ。
「こんな所に供も連れずに一人で来るなと何度言えば分かるのですか!」
顔を真っ赤にして怒るエリオット。…そりゃそうだ…。
「あら、デュラン兄様も一緒にと一応誘ったのだけど、行っておいでとやんわり断られたわ。
もう休みたいそうよ」
「…デュラン王子はリリーシア様のお供ではありません。
リリーシア様付きの従者か、せめて侍女を御連れ下さい」
「……いいじゃない!前は普通に一人で出入りしてたじゃない。」
少し間があったのは、誰に頼んでもここには恐れて来ようとしないから。
<お風呂上がりのエリオット>
今回から挿絵を入れる事にしました。
時間短縮でモノクロです💦
顔はよく変わると思います(汗)
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