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小さなお茶会
「さぁ、聞かせてちょうだい!
今回はどこに行ったの?」
リリーシアはお菓子等と一緒に地図を持参し、ベッドに広げてエリオットの話を催促する。
「今回の任務はそんなに遠い所では無かったので、この辺りでしょうか。
海に面しているので、商船が多くあり港町がかなり活気付いておりました」
「へぇ…海かぁ…。
この国には湖はあっても海は無いものねぇ…。
変わった生き物は居たかしら?イルカとか、クジラとか?!」
…どうして、そう大型生物を期待するのか…。
「残念ながら、港町を回っただけで、海には出ていないので…」
「そうなんだ…残念…。
いつか、その国に私も連れて行ってね!約束よ!」
可愛らしい小指を立てる。
エリオットは仕方がないとその指に自分の小指を絡ませる。
任務地の話をする度に交わす約束。
一度も叶った事の無い約束…。
それでもリリーシアは未来にエリオットと各国を巡る姿を思い描き嬉しそうに笑う。
カップのお茶は空になったが、二人の話はまだ続いていた…。
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