庭園にて

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「よ!お疲れ!!」 「お疲れ!」 「お前も大変だな…。毎日あのおっかない人と話をしてるんだろ?」 おっかない人とは、エリオットの事だ。 友人も遠くなった二人の後ろ姿を見つめている。 この友人は職場が違い、警備とは関わりが無い様だ。 「うーん、最初は怖くて報告も上手く出来なかったけど、慣れたらそうでもなくて、何て言うか無口で愛想は無さそうだけど、優しいんだよ。 俺が上手く報告出来なくても言えるまでジッと待ってくれるし、分からないことは同じ事でも何回も教えてくれるし…」 「ふーん…。でも気を付けろよ! あの鎧の下は全身傷だらけって話だぞ。体の中に魔物を飼ってるとか…。 近くに居たら呪われるって噂だぞ」 「その噂なぁ…。俺、いろんな人から言われ過ぎて、もうどうでも良くなったわ」 「心配して言ってやってんのに、余裕だな! まぁお前、呪われても気付きそうにないもんな」 「なんだよそれ、呪われたらお前に横流ししてやるよ」 「やめてくれー」 いつしか冗談の入り交じる軽口に変わっていた…。
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