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「ここは窮屈じゃない?一緒なら外に行けるわよ。一緒に行きましょう!ちゃんと準備が出来てるの」
言うと、背中に乗れる様に足場と簡易式の椅子の装着具を見せる。
「行かせませんよ」
低く鋭い声が背後から飛んできた。
「エリオット!おかえりなさい!!今回はどこの国へ行っていたの?詳しく教えなさいよ」
注意を受けたが、日常茶飯事で気にならないのか、聞こえなかったのか、敢えて無視してるのか…。
きっと日常茶飯事なのだろう。
「ご挨拶に伺ったら部屋にいらっしゃらないので、こうして探し歩いてようやく見付けたのです。
使用人達の様子では頻繁にこちらに来ているようですが…?」
「あら、頻繁にだなんて…。1日1回だけよ。
それより良い所に来てくれたわ!これを取り付けるのを手伝ってちょうだい。思ったより高くて届かないの」
「1日1回は毎日ですよ!これは私が連れてきた物です。私が世話をするので、姫はこちらに立ち入らないよう…」
「これとか物とか、こんな可愛い子に何て事を…!
名前を付けましょう!んー、何が良いかしら…宝石の様にキラキラしてるから、スパークルにするわ!
今後はちゃんと名前で呼ぶ事!そして反省するなら取り付けるのを手伝うのよ」
エリオットの説教を途中で遮り、捲し立て、有無を言わさず装着具を押し付けた。
…なかなかのやり手である。
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