32人が本棚に入れています
本棚に追加
「…これを付けてどうしようと言うのです?嫌な予感しかしませんが…」
鎧で見えないがきっと眉間にシワを寄せながら問い掛けているだろう。
「あら、この子ずっとここに居るのよ?運動不足だと思わないの?可哀想じゃないの」
「大丈夫です。数日中に仲間の居る山を見付け、放しますので」
「数日ですって?!今日で何日ここに居ると思っているの?
しかも、仲間の居る山を見付けて放すですって?
スパークルが見て納得しないと私が許可しないわよ!」
身長差があるにも関わらず、低い位置から目力込めて睨み付ける。
怖いよりも可愛いになるのだが、それは言えない。
この国の王の娘と言う権力者でもあるのだ。
たった今名付けられた大型トカゲのスパークルは、このサファリナ国より2つ隣の争いの絶えない国にエリオットが出向いた際に戦火に山から焼き出され彷徨っているのを発見し、連れ帰るつもりは無かったが、怪我が無いか等、調べていた際に変に懐かれ仕方なく連れて帰ったのだ。
姫に見せるつもりは毛頭なかったが、まぁこの姫だ、隠し事など出来る訳もなく、エリオットも嘘のつけない不器用な男なもので、結果、姫は大型トカゲを気に入り、エリオットは次の任務に出向いた訳なのだ。
最初のコメントを投稿しよう!