ユメノセカイヘ

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 こうして他ライバーの様子を探るのは、俺のくるりを高みへ連れていくための勉強になる。彼女をもっと多くの人に知ってもらいたい。俺の理想そのものである彼女は、人気者になるべきだ。  月未希くるり。多くの人に愛されて、応援される愛らしくて無垢な美少女。もっともっと、色々な姿が見たい。魂と呼ばれる中身は俺だけれど、俺自身が彼女ではなく、俺の中に彼女が住み着いていて、配信時に表に出てくるだけなのだ。  そう。  俺と彼女は別人格。ただ、経験や思考は共有しているから、俺が知らないことは彼女も知らない。  ふっと脳裏に、柚花るんが欲しいとアピールしていたチョコレートが浮かんだ。あれを買って食べてみよう。月未希くるりは女子高生だから、その年代に人気のあるものは触れられる範囲で知っておきたい。  きっと、彼女は食べたがる。俺が買ってやるから、楽しみにしていろよ。  心の中で語りかけて、唐揚げを口の中に放り込む。香月れもんの配信から別ライバーの配信に移動して、情報を仕入れていく。
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