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無言で通り過ぎようとした折原くんに、店長がすかさず注意する。実は彼、店長の甥っ子。
人とコミュニケーションをとるのが苦手らしく、心配した彼のご両親が修行とばかりに無理やりここに入れたのだとか。無口でいつもマスクをつけていて、彼の表情をちゃんと見たことがない。
「折原くん、おはよ」
「うっす」
蚊の鳴くような声で返され、思わず苦笑いが零れる。だけど折原くんは気にする様子もなく、スタッフルームへと入って行った。
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