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次にすずめと会ったのは成人式後の同窓会だった。寒く、雪がちらつく日だった。
主催が委員長で、元クラスメイトの三分の二と、ゆらも居た。
担任でもなかった、やる気のないすずめをどうやって連れてきたのかと、委員長に聞くとゆらが誘ったのだと言った。すずめとの共通点などもう干支ぐらいで、各々の進路先でよろしくやっているのに、みんなと話す内容などあるのかと、おれは飲み会の席に着いた。
小さな居酒屋は今どき珍しく分煙されておらず、集まった人の熱気と、煙草の煙と、水炊きから昇る鍋の蒸気で、かすんでいた。いくら、同じ教室で勉強した仲といえ、無邪気に鍋をつつくほどおおらかな性格ではないおれは、げんなりした。
すずめとは離れて座った。シャーリーテンブルや、サンセットビーチなど何が入っているのかよく分からないノンアルコールカクテルをすずめは注文していた。底冷えするような寒い日なのに、ワインレッドのVネックの薄いニットを着ていて、ブラどころか、アジャスターの部分までくっきりと形が分かった。
サラダと豆腐ばかりを交互に食べ、主食に手をつけない姿に疑問に思った。女にしては肉付きが悪く、すらりとしていると言えば聞こえがいいかもしれないが、きっと抱き心地は良くないだろう。手首なんて細くて、強く掴むと折れてしまいそうだ。ブラも上げ底じゃないだろうかと疑ってしまう。
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