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蘭の言うように藤間家は、諸外国や国内の一部から『火炎の悪魔』と恐れられている。
数百年前、まだ国同士の戦いが表向きに激しく勃発し、領土の奪い合いを積極的に実施していた時代のことである。
西と東の戦線よりも熾烈を極める北の戦線は両国ともに消耗していた。
当時、まだ一介の学生だった藤間重忠は北の国マントール教国との国境の線戦に投入された。
そこで得意の火炎魔術を駆使して、侵略された分の戦線を押し戻し、圧倒的な力から侵攻に前向きだった教国と停戦協定を締結するまでに至った。
その功績から侯爵の爵位を賜って、その後は侯爵家として政治から軍部まで広く王国の運営に携わっている。
「お互いそんなすごい家系なんだから誇りに思わないとダメだよ。僕なんか肩身の狭い子爵だからね?」
2人のやり取りに若干の呆れる雰囲気を出しながらも、自虐ネタでその場の雰囲気を和ませた。
「とは言っても子爵でも貴族様には変わりねぇんだけどな。
ってそうこうしてる間に夜琉と蘭、時間がやばいぜ!
テルミン行くぞ!」
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