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雲海はテルミンをお姫様抱っこで抱きかかえると教室の窓から飛び降り、学校敷地内にある寮へと向かった。
残された2人は一斉に時計を見ると青ざめた表情を浮かべ、雲海同様に教室から飛び降りた。
3人とも平然と飛び降りたが、ここは2学年の階層で少なくとも地上30mはある。
生身で落下すればひとたまりもない高さだが落下したような衝撃音はしない。
少し遠くを見ると大きな黒梟の背に乗っている夜琉と、腕を紅蓮の翼に変えて空を羽ばたいている蘭、10mほどの巨人の肩に乗っている雲海とテルミンが見える。
夜琉が乗っている黒梟と雲海の乗っている巨人は共に星術の根源である星獣を具現化させたものである。
夜琉が約一年前に発表した論文の結果、一握りの人々が具現化に成功したのだ。
条件は『特定の術式の中心に術者本人が星獣の真名を書き込む』と言うものである。
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