第一章 星術と魔術

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言葉で表現すると簡単なように見えるが、そもそも星獣と会話が出来る人が極少数であり、星獣自身も真名を知らない場合がほとんどである。 そしてこの特定の術式を夜琉が開発し、論文を完成させたのである。 これ以外にも夜琉のように生まれながらにして具現化が可能であったり、術者が窮地に陥った時に具現化されたと言う例も確認されている。 魔術は遺伝性がかなり高いが、星術は遺伝性が無いと言っても過言ではない。 親と同じ星獣を宿したからと言って同じ能力になるとは限らないし、違う星獣を宿しても能力が似る可能性も大いにある。 それに比べて魔術は術式が確立されていて、術式通りに行使すれば同じ効果が得られる。もちろん、込める魔力量によって得られる事象の大小は異なるが。 魔力量は遺伝性が極めて高く、術式も家系で受け継ぐものが多いため家系として得意な魔術が似てくる。 つまり、現在権力や実力を持っている家系は今の地位を守るためにも魔術の繁栄を維持し、星術が魔術に代わることを恐れていると言う事実もある。
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