第一章 星術と魔術

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「おっ!朝倉教授から直々にご指導ご鞭撻がいただけるぞ!これは嬉しい限り…」 朝倉教授と呼ばれた黒髪の少年を囃し立てるように、声を上げた一人の少年は全て言い切る前に謎の力によって口を塞がれてしまった。 こちらはスキンヘッドに大きな身体で筋骨隆々という言葉がよく似合う風貌をしている。 「というようにですね。星術は詠唱や予備動作がほとんどなしで様々な効果を発揮することが出来ます。  入堂寺君、被検体を名乗り出てくれてありがとうございますね?」 教壇に着くなり、先ほどのスキンヘッドの少年に素晴らしいまでの笑顔を送りそのまま授業を続けた。 今現在、教壇で生徒に対して授業を展開している生徒は、約一年前に15歳の若さで『星獣具現化のための条件の確立』という論文を発表した天才星術学者『朝倉 夜琉』である。 この世に星術なるものが発見されてから数十年、未だに詳細が不明で利用方法の模索がされている星術だが夜琉の発表した論文は、良くも悪くも世界を激震させた。
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