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もちろん朝倉夜琉、この男も例外ではない。
「う、うん!まぁ、あの論文も母さんと父さんが半分以上完成させていたものだよ。仮説はほとんど当たっていたから検証も楽だったしね」
夜琉は自分の顔が赤くなるのを実感しながら口早に説明する。
この会話からわかるように、夜琉の父親と母親は夜琉が幼少のころに他界している。
生前は名のある星術学者で数多くの論文を輩出し、星術の利用価値向上に貢献した偉大な人物である。
その功績を讃えて北条王国国王から子爵の爵位を賜り、平民から爵位持ちの貴族へと成った。
おさらいすると、幼少期に両親は他界して、執事やメイドに育てられた夜琉。
詰まるところ、夜琉は子爵家の現当主でもあるということになる。
しかし、貴族といっても政治に介入するのは侯爵家以上からのため、貴族らしい事と言えば年に数回開かれる国王主催のパーティに参加するくらいである。
「さぁ!さっさと寮に戻って、三聖戦の練習でもしようぜ。早くいかないとまた腹黒会長にいびられちまう」
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