第一章 星術と魔術

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『テルミン=バックス』、身長は蘭よりも少し低いが出るところは出て、締まるところは締まっている抜群のプロポーションをしている。 西の隣国、ロータス王国からの留学生で大貴族の三女だが、家が厳しいこともあり一般常識やルールにかなり敏感な性格をしている。 「それにしてもテルミンの拘束魔術はいつ見てもすごいよね!動きを止めるだけじゃなくてそこから動かせるんだもん」 「うちの家系は得意なことがなぜかこのような陰湿極まりない魔術しかないのです。蘭みたいな魔術を覚えたかったものですわ」 テルミンの細い腕が軽々と雲海の腕を放り投げたのは魔術の類だったようだ。 通常、拘束系の魔術は相手を縛りつけることに重きを置いているため、そこから対象に何か力を加えるということがない。 そもそも拘束系の魔術は術式が複雑なため、それ以上に出来ないという理解が正しいのではあるが。 「何をいっているの、テルミン。あなたの魔術はロータス王国でもこの国でも評価されているじゃない。 それに私の家系は一部からは火炎の悪魔なんて呼ばれているのよ?」
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