『恋しくて ! 』 -5-

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91. " threat 脅し "  「待って!! そんなに邪険にしていいの? 」  そう言う彼女の声音が怖いトーンに変わった。   「奥さんに言ってやる。  澁澤くんに弄ばれたって。  澁澤くんから誘って来たのに奥さんにばらされたもの だから私捨てようとしているって。  奥さん、どっちの言い分を信じると思う? 」  私は近くの席で二人の会話を聞きながら櫂くんとの 打ち合わせ通り、やりとりを録音した。  一緒に付いて来て良かった、と心から思った。  私はこの現場にいなかったらきっと100%櫂くんのことを 信じることが出来なかったと思うから。  二人は高校の時の同級生なのだとか。  私は録音しながらOrderしたコーヒーを飲み干した。  櫂くんが無言で席を立つと、彼女が待ってと引き止めた。  「違うの、ちがうの。  本当はそんな事がしたかった訳じゃないよ。  櫂くんのことが好きで振り向いてほしかっただけ。  そしたら、奥さん邪魔だモン。  20代で再会した時から櫂くんのこと、好きだった。  でもその時、櫂くん好きな人がいるって聞いてあきらめた。  でも又この街で再会してやっぱり好きだなって思って 今度は絶対あきらめたくなくって、できる限りあがこうって 思ったの。  ね、成人した娘を持つ年上の奥さんがどーしていいの?  お願い、私の事、真剣に考えてみてほしい、お願い」
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