1081人が本棚に入れています
本棚に追加
2.修正2023.3.11
" A Mail 1通のメール "
「ね、ちょっといいかなぁ、起きて」
「ン? ・・・」
「変なメールがきたのよ、見て!」
「う~ん、・・メール? 」
なかなか覚醒できない夫に・・。
私は自分の携帯電話を差し出しながら言った。
「あなたが浮気してるって書いてあるのよ」
夫がおもむろに私宛にきたメールに目を通した。
「どう? それ、あなたなの? 」
私はまったく夫とは思ってなかったのだけれど、少し
おちょくってやろうと、そんなふうに言ってみた。
『あははは、ンなわけないだろう』と夫が答えるだろうと
信じて疑わずに。
それなのに・・・
彼はしばらくの間沈黙を保ち、呆然とメールを
見つめていた。
夫が顔をあげて私を見た時、なんだろう第六感とでも
いうのだろうか、駄目だこの人は何か私の聞きたくない
ことを言いそうだ、と感じたのだ。
どうして、否定しないの?
すぐに否定して・・。
えっ?
「すまない、ほんの出来心・・だ。ほんとにすまない
相手とは今すぐに手を切るから」
夫は座っていたソファからスルリと床の上に移動し
素早く、私に向かって頭を床上近くまで下げて謝罪して
きた。
土下座? に近かった。
「ごめん、もう二度と君を裏切るようなことはしない。
誓う、許してくれとはとても言えないけど、これからの
自分を見てほしい」
最初のコメントを投稿しよう!