『恋しくて ! 』 - I miss you -

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87. -----亜佳里と櫂の軌跡-----Episode3------  結婚後5年目、クリスマスの頃。。。。  新婚旅行に行かなかった私たちは日々多忙な櫂くんの仕事に 少し余裕ができそうな事もあり、クリスマス25日~28日まで プチ旅行に出かけることにした。  温泉のある所に決めた。  その年のクリスマスは上手い具合に雪がシンシンと降り 積もりうれしいことにホワイトクリスマスとなった。  いつもマンガチックになってしまう私たち二人を雪化粧が ロマンチックな世界へと運んでくれた。  あちこち宿泊先を転々とするのは気ぜわしいので のんびり過ごすことをコンセプトに3日間同じホテルで 逗留した。  クリスマス仕様のディナーをゆっくりといただき その後はゆったり気分で温泉で身体を暖め、夜は ロマンチックな気分で寄り添い寝た。  ディナーでワインを飲んだ。  普段ほとんどお酒を飲まない私達なので少量の ワインでもほろ酔い気分。     ・・・  ホテル周りを翌朝ふたりで散策していた時のこと。  悲壮感漂わせて泣いている子猫を見つけた。  親猫がいると勝手に手を出せないけれど どうもいないようで私達はホテルの部屋に入れて世話を することにした。  コンビニで買ってきた牛乳をひとまずホテルのスタッフに 相談して、常温に温めてもらい、水を足して少し薄めてもらった。  よほどお腹が空いていたのか、すごい勢いでミルクを飲んだ。  飲んでる姿がむちゃくちゃかわいいっ。  子猫は初めてで、慣れないながらも櫂くんと私とで代わるがわる 抱っこし、この日は部屋の中で子猫の相手をしてふたりと一匹で まったりと過ごした。  夜は私達の頭の所にマフラーを使ってティッシュの 箱の中に寝床を作り一緒に寝た。  私達にまたひとつ新しい思い出と家族が増えたこの冬。  子猫はクリスマスの翌日に見つけたので"クリス"と 名付けた。  言うまでもなくその後、櫂くんや両親、未由達からも 溺愛されたクリスは我が家のアイドルとなった。
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