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89.
" A Mail メール "
「あっ、知ってる。 ・・この・・メル・アド
知ってる」と櫂くんは言った。
それを聞いていた私はその場に立っているのがやっとで何も
言葉を発することが出来なかった。
この次の言葉は?
どんな言葉を出せばいいの?
次に何を言えばいいのか、なかなか見つからない言葉を
探していたら・・・・
「亜香里さん、このメールを送って来た人に心当たりはある
けど、こんな事を言ってくることには全く心当たりがないから。
亜香里さんは何も心配しなくていいよ。
僕が好きなのは亜香里さんだけだから。
僕は遊びで他所の女の人と付き合えるほど器用でもないし
時間もない。
独身の時も結婚してからも、その場凌ぎで女の人にコナを
かけたこともない。
今ある大切な家族と別れなきゃならないような愚かなこと
絶対僕がするはずないから。
明日、亜香里さんにもちゃんと納得してもらえるように
するから、心配しないで・・・? 」
櫂くんは一気に私を安心させる為の言葉をくれた。
それでも一度元夫からの裏切りを経験している私だもの
20%位はもしかしたら、という気持ちを払拭することは
出来なかった。
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