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エピローグ
書いたことが何でも叶う魔法のノートは、〈先輩と会いたい〉という願いも、もれなく叶えてくれた。これで、美空がノートに書いて叶わなかった願いは無くなった。美空は、本当に魔法だと思う。奇跡じゃなければ、こんなことは起きない。
そして、世の中には奇跡しかないのだと知った。奇跡の連続の上に、自分たちは生きている。それが、当たり前の日常だと思えてしまうのは、奇跡が当たり前のように起こり続けているからだ。
でも、生まれてきたことも、こうして人と出会えたことも、それらはすべて、奇跡でしかない。魔法のノートは、そんなことも美空に教えてくれたのだ。
そんな魔法のノートの最後のページに、美空はこう付け加えた。
〈 先輩と一緒に人生を最後まで歩む 〉
書き加えてそれを指でなぞってから、美空は閉じて夕の日記とともに本棚へとしまった。
「先輩は、いつだって私の神様です……。今までも、これからも」
その美空の左手の薬指にはあのミサンガに似た指輪が一つ、つけられている。それは、過去ではなく、夕との未来を約束した証だ。
―おわり―
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