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メガコンプレックスが次に向かったのは巨大な土星だった。メガコンプレックスは土星に衝突して融合した。天文学者たちは、土星の美しい輪が消失したことを嘆いた。だが、サタンの首輪が無くなっただけでは済まなかった。巨大な土星が軌道を変えたことで、さらに巨大な惑星、木星の公転軌道に影響が出た。
木星は太陽系生成期に火星の軌道の近くまで太陽に接近し、その後離れて現在の軌道に落ち着いたと考えられているが、その巨大な惑星が再び太陽に接近し始めた。しかも、メガコンプレックスを融合した土星を伴っていた。
木星と土星は、火星をすり抜け、地球をかすめ(地上からも月のように輝く木星と土星を肉眼で見ることができた)、金星と水星を横目に、太陽に向かって落ちていった。
そして、ついに木星が、そして土星が太陽に衝突した。
衝突により放出された太陽フレアは、水星の軌道近くにまで達した。地球上の全ての電子機器が機能不全となり、人工衛星も宇宙のゴミと化した。
赤道を除くほとんどの地球上で美しいオーロラを見ることができたが、それは人類の文明を葬る喪列のベールだった。
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