ハゲを拾った男

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「えっ、これどういうことですか……?」  そこにはこう書かれいた。 【□2週間経過しても落とし主が現れなかった場合、ハゲは拾い主の物となることを了承する】 「どういう……って、書かれている通りだよ」 「えっ、いや、『ハゲは拾い主の物になる』って、つまり僕のことですよね? ハゲが僕の物になるって一体……」 「酷なようだが、つまりキミの頭がこのM字ハゲになるってわけだ。奇しくも、父上に似たこのM字ハゲにね……」 「嘘でしょ……。覚悟してるとは言え、まだまだ先のことだと思ってたのに……あっ、さてはこれも冗談なんですよね? ほら、さっきみたいに!」 「すまない……法律でそう決められているんだよ……」  その警官の表情を見て、男は本当に冗談なんかじゃないことを悟った。  だとしたら、こんな確認事項にチェックなど入れたくはない……と、ペンを置こうとしたその時。
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