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自分の恋愛対象はどうやら十代二十代といった若い娘ではなく、もっと上の……言い方は悪いかもしれないが……オバハン世代なのだ。桃みたいに張り詰めた胸にかじりつくより、少ししなびかけているくらいの方が林には心地よい。そういえば昔から、果物も熟しすぎているのを啜るのが好きだった……。
今の恋人は営業部の課長だ。廣木の上司にあたる。自分の上司と親友が付き合っていると知ったらどんな顔をするだろう……林は思わずかぶりを振った。恋人は秘密主義だ。ずいぶん歳下の自分と付き合っていることを他人に知られるのをひどく嫌がっている。うっかりバラせば、喧嘩になりかねない。ただでさえ、彼女は最近不機嫌なのだ。機嫌を損ねたくなかった。
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