昼と夜の間の女

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〈ごめんね〉 と始まる文面は、直感通り、悪い知らせだった。 〈黙ってた。実は海外赴任の話、オッケイしてたの。これから、飛行機に乗るところ。バイバイ、颯人(はやと)〉  じゃあな、と腕を振り外回りにそのまま行った廣木を見送って林はひとつ裏の道にあるコンビニへと向かった。昔からの酒屋が商売立ち行かなくなってコンビニへ転身したといった雰囲気の店だ。近頃の風潮というか、常識というか、喫煙者には肩身の狭い世界が当たり前。会社はとうに全館禁煙で喫煙スペースがあるのは林の知る限りもうこのコンビニだけなのだ。電子タバコはやらないので、灰皿がないことには落ち着いて一服できない。携帯灰皿は一応持っているが何だかちまちましていて好きではない。  喫煙スペースは特に何か仕切りがしてあるわけでもない。吹きさらしの空の下、通用口の近くに脚付きの灰皿が置いてあるだけだ。目立つところではないせいか、利用者は大抵颯人ひとりだった。喫煙者が絶滅危惧種なだけか。 (一体、何が悪かったんだ)  イライラと煙を吐く。
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