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ステージの端の方から怒鳴り返す者がいた。
「みんな、ロードが好きだから心配なのよ!」
先程、稜斗を誘惑してきたセーラー服の女だった。泣きながら琴美と教授を睨み付けていた。
「二人とも、何か知っているんでしょ?本当の事を教えてよ!」
セーラー服の女が琴美と教授に向かって激しい口調で言った。
全員の視線が琴美と教授に集まったが、二人は無言で口を閉ざしたままだった。
沈黙の中、遠くから笑い声が聞こえてきた。
幼い女の子と若い男の声だった。
声と共に、こちらに向かって近付いて来る二人組のシルエットが見えた。
まだ、二十メートル以上は離れているが、二人の会話が稜斗には聞こえていた。声が脳内に直接響いているようだった。
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