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小嶋がロードのことを、地獄に仏な存在だと言った意味が理解出来た。
「ロードって何者?みんなは、何でここで宴会してるの?」稜斗が尋ねた。
「ロードか……もともとは普通の人間で、普通の霊だったとは思うけど、よくわからないんだよ。そもそもロード本人が、生前の記憶を持っていないし、自分の名前さえ忘れてしまった状態なんだ」
「じゃあ、何でロードって言うの?」
「ロードの着ている特攻服を見てごらん」
稜斗が教授に言われるがままに、特攻服を凝視した。
膝下まである、黒いロングの特攻服は背中に大きく神風、左腕に極楽、右腕には地獄と金文字がある。
「シンプルで昭和チックな特攻服だけど、注目すべきは胸の部分だよ」
教授に言われて、胸に注目すると、左胸に旭日旗があり、その上に『狼怒』と金文字があった。
「あれ、何て読む?」稜斗が首を捻りながら尋ねると、教授が「ロード」と呟いた。
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