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ディナー
案内されたのは一般のホテルでよく言うビジネスクラスの感じだった。
彼女はクローゼットを開けるとこう言った。
「間宮さんは身長180センチ・体重80キロ靴のサイズは29センチそれから・・」
「もうイイです。イレギュラーがあれば、その時に手を挙げますから」
「パジャマのサイズをお伝えしているのではありません。これはゲストの制服のサイズです。これからしばらくは着用していただくことになりますので、真面目にお聞きください」
「あっそう・・ごめん」
「それからもう一つ、その時に手を挙げますからって、どういうことですか?」
「だって室長は、分からないことが有れば君に聞けって言ってたよね・・でもどう見たってこの部屋には、電話やインターホンなどの通信手段なんてものは無いものね。と言うことは監視カメラに向かって手を挙げるしかないかと思ったんだけど・・間違ってる?」
「そもそもが間違ってます・・この部屋には監視カメラなど有りません」
「それは失礼!・・ならどうして君と連絡を取るの?」
「私はあのドアの向こうの部屋に常駐していますので、あのドアをノックしてください・・それと私の部屋には通信設備や防犯カメラが設置されていますので、馬鹿なお考えはお控えください」
「なるほど・・よく考えられているよね、ところで私は暫く滞在するらしいが、一体何をさせられるのだろうかね? 暫くってどれくらいの期間なのか・・君だって何か聞いてるんだろ?」
「私は円谷と申します。これからは君ではなく名前で呼んでください」
「これは失礼いたしました・・円谷殿!」
「暫くしますと私のお部屋にディナーが届きますので、再度ご案内いたします。それまで、良ければシャワーでもお使い下さい」
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