鬼への手紙

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 むかーしむかし、はるかな昔、人間の娘に恋をした鬼がいたという。  鬼は娘をさらってきて、毎日毎日好きだと言った。  娘の方もほだされて、鬼のことを好きになった。  鬼は毎日毎日娘の匂いを嗅いで、毎日毎日娘の肌を触った。  でも、ある日、とうとう我慢が出来なくなって、鬼は娘を食べてしまった。  それからはもう、鬼は毎日毎日泣き叫んで暮らした。  ただひたすらに泣いて泣いて、何も食べず、何も飲まず、眠りもせずに泣き続けて、最後に鬼は力尽きて死んでしまったという。  それを天から見ていた神様は、鬼と娘を哀れに思い、同じ時代の同じ町に二人を人間として生まれ変わらせてくれたそうな。  はー、めでたし、めでたし。 ・
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