Act.1 神山玲二という男

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そうこうしているうちに話は進み、ヒロインと 仲直りをするシーンへ。 夜の公園という、これまたベタな場所での キスシーン。 『過去は過去だから。 今はお前だけだ。』 そんな少女漫画みたいな台詞も、玲二が言うと 違和感がなくなってしまうんだから すごい。  画面は、引きからの二人のアップに切り替わる。 玲二がヒロインの顎を持ち上げた。 今流行りの顎クイというやつだ。 ゆっくり顔を近づけて、目蓋を伏せる。 男のくせに睫毛長くて、羨ましいとか思っちゃう。 ドラマのメインテーマソングが流れて 正に唇と唇が触れ合うその瞬間─── 「なに見てんの。」 ...不機嫌顔の玲二がテレビを消した。
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