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背中には壁。
前には妖しいフェロモン全開の玲二。
...逃げ場はない。
「試すって...」
「決まってるだろ。」
彼の腕がこちらに伸びてきたと思ったら
親指の腹で私の唇をゆっくり撫でる。
その一連の動作は妖しくて、美しくて…
まるでスローモーションのように見えた。
綺麗な顔がゆっくりと近づく。
5㎝───
3㎝───
1㎝─────
急速に縮まる距離。
あと少しで唇と唇が触れ合う。
正にその時.....
"コンコン"
と、ノックの音で我に返った私は思いっきり玲二
を押し返した。
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