Act.1 神山玲二という男

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そして何より、最近の彼はいろんな意味で パワーアップしている気がする。 ちょっと前まではまだまだ青年という 雰囲気だったのに。 今は時折大人の男を感じさせる時がある。 しかもそれでいて、私に触れてくるんだから 困る。  ───さっきだってそう。 急にこちらが呑み込まれるような色気を 振り撒くんだから。 気を抜くと、またさっきの場面が頭の中に 浮かんでくるので、深呼吸をして気持ちを 落ち着かせようとしたら 「あら翠ちゃんったら。 そんな情事の後みたいな顔してどうしたのー? まさか玲二に襲われちゃったー?」 ...なんてKENさんのとんでもない発言が 聞こえてきた。 「そんなことあるわけないじゃないですか!」 全力ではっきりきっぱり答えて、お弁当をすかさず 受け取って、その場を後にする。 もうキャパオーバーだ。
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