Act.2 ハニートラップ

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Act.2 ハニートラップ

「失礼します。」 ───ドアをノックして入ったのは、我が スターライトプロダクションの社長室。 「突然呼び出して悪かった。」 そうにこやかに待ち受けていたのは 社長の高倉龍之介(たかくら りゅうのすけ)。 56歳。 トップでありながら決して傲らないところや どこか英国紳士を思わせる立ち居振舞いから プロダクション内外より厚い信頼を 得ている人物であり、私が最も尊敬している人 でもある。 「いいえ。 ちょうど私もお話ししたいことがありました から。」 促されるまま席に着くと─── 「さっそくだが、玲二の今後について 君の意見を聞かせてくれないか。」 私の話したいことと全く一緒で、驚いた。
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