Act.1 神山玲二という男

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仕事が終わり、玲二を送り届けるために夜道に車を 走らせながら助手席をチラリと見ると、彼は外の 景色に目をやっていた。 その姿はなんだか儚くて、壊れてしまいそうな 感じがする。 彼が他の同世代の男の子と違って、どこか陰があり 妙に達観したところがあるのは、きっとその 生い立ちが関係しているだろう。 でもその陰が、彼の俳優としての強みであり 最大の武器になっているんだから、この業界は 本当に不思議。 そんなことを考えながら運転に集中した。
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