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「翠。
一緒に夕飯食べようよ。」
「だーめ。
写真撮られたら面倒でしょ。」
運転中だというのに急に近づいてきて、まるで恋人
同士のような距離で囁く。
「家で食べればいいだろ。
翠と一緒に食べたい。」
…とか言い出すんだから、彼はとんでもない
プレイボーイだ。
これを誰彼構わずやっていたとしたら週刊誌の格好
のエサになっていたに違いない。
簡単には諦めないことを知ってるから、仕方ないと
軽く息をついた。
「わかった。
じゃあ玲二の家で何か作ってあげる。」
「翠の家がいい。」
「それは却下。」
マネージャーをしていて、私にはひとつだけ
譲れないことがある。
「翠の家に行きたい。」
「だめ。」
それは...
俳優達をプライベートに踏み込ませないことだ。
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