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「...わかった。」
渋々納得したのを確認して、車を彼のマンションへ
走らせた。
本当は仕事が終わった後もプライベートだから
一緒にご飯を食べるとかありえないのだけど
母性本能からくるものなのか、彼の才能に
惚れ込んでしまった弱味か、どうしても断れない
自分がいる。
玲二も玲二で、過去のいきさつから女性に対して
不信感があり、仕事以外で女性と関わることは
ないのに、私だけにはなついてくれている。
それはどうしたって嬉しいことだ。
事務所に入ってからずっと世話を焼いてきたから
きっと彼にとって、私は母のような姉のような
存在なんだろうな。
この時はまだ、そんな風に思っていた───。
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