神様、お願い

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神様、お願い

 人は人生において、何かしら神頼みをする時があるだろう。神とは超越した何ものかを、指し示す場合が多いと思うが……日本古来の宗教、神道では人でも物でも、はたまた空間ですらも神格化する。  ここでもまた1人の少女が、友人により神格化されようとていたーー  仲の良い女子高生3人は今日もまた、いつものように放課後になり、共に街へと繰り出していた。  今日はゲーセンに行こうという事になり、最寄りのそこに到着したのだが……中へ入ることなく、入り口で立ち止まっていた。なぜなら、マホが二人を止めていたからだ。  目の前には2台の自販機。どちらも1000円自販機である。お洒落な外装で、側には景品の収納されたボックスが重なっている。出てきたカプセルの中に、鍵が入っていれば当たりらしい。  これにマホは目を輝かせ、指さしながら 「ねぇチトセやろうっ! これすごくない? ネズミランドのペアチケとかあるよーっ?」  チトセは渋い表情で 「ええ、いや……当たんなくね普通に。やめとけよ」  すると腕をぶんぶんして 「えぇなんでなんでっ、チトセ一緒にやろうよーっ! ねっお願いっ!」  と両手を合わせる。チトセはため息交じりに 「だいたいこういのって、めっちゃ確率低いんだからさぁ。絶対にいらんストラップとかネタ物とか出てきて、やんなきゃ良かったぁって後悔すんのがオチじゃね?」  するとユウコは微笑みながら 「そうね。チトセが妊娠する確率より、はるかに低いでしょうねぇ、辛いけど、それが現実というやつよ」 「ちょっと待て。何それ、どういう比較対象だよ。お前もやめとけし」 「うふふ……」
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