*超不良高校に入学が確定しました!?(side涼花)*

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*超不良高校に入学が確定しました!?(side涼花)*

 とある日。 「嘘でしょ……美雪……滑り止めしか受からないとか何してるの!?」 「だって僕馬鹿だもんー」 「知ってる! けど! よりにもよって県で一番の不良高校を滑り止めにするとか、無いわっ」  美雪の言葉にあたしは叫んだ。目の前にいる可愛い見た目の幼馴染男子――城井美雪(しろい みゆき)がビクリとする。  茶っこい地毛をフワフワと伸ばした長身の美少年美雪は気弱で泣き虫で馬鹿だった。幼馴染のあたしにしか心を開かない甘えん坊の彼は、いつだってあたしがいないと何もできない。なんだかんだでそんな美雪を見捨てれないあたしは、常に美雪の面倒を見て育ってきた。  別に苦痛ではなかった。美雪がかわいくて素直だから、つい手を貸したくなってしまうだけだから。  天使みたいにかわいい美雪を見てると、どうしても体が動いしまうのだ。 「涼花(すずか)ちゃんごめんなさいー! だって、僕御勉強苦手だもん……」 「うん、知ってる! でも同じすべり止めでも大人締めの子が通う底辺佐知の高校もあったでしょ!?」 「寮があったら涼花ちゃんと離れ離れになるし」  鼻を鳴らしながらしょんぼりする美雪。 「そもそも、あたしはそこそこの学校に受かってるんだよ? 美雪は独りで不良高校にいけるの?」 「……行けない」 「じゃあ! どうして! そこを受けちゃったの!?」 「……ごめんなさいっ」  ぴえんとも言わんばかりに美雪。  いや、本当どうするの? こんな弱弱しいうさぎ男子の美雪が不良校に行ったら食べられちゃうよ?
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