7人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねえ、ねえ、涼花ちゃん早く行こう!? 逃げよう!?」
「わかってる、わかってるよ。美雪……でも、腰が抜けて」
「僕が運ぶよ!」
「無茶言わないで非力なうさぎ男子のくせに!」
「そんなことないってば!」
「!?」
(軽々と身体が浮いた……!?)
嘘でしょ!? あの美雪があたしをお姫様抱っこ!? ありえないんだけど!?
呆然としながらあたしは美雪に運ばれて入学式に間に合うことができた。
だけど。
「あれって美雪サンじゃね?」
「違うだろー他人の空似じゃ?」
「でも名前一緒らしいぜ」
「嘘だろ。あんなぶりっ子系男子じゃねぇだろー」
「けどさあ」
(なんかずっとそんな会話があっちこっちで聞こえるんだけど)
どう言う事!?
美雪は気弱なヘタレ男子ですけど!?
幼馴染の割に家が遠いからってよく夜に泣きながら電話してくるそんな男子ですけど!? しかもくじには寝ちゃうらしく連絡つかないお子様ですけど!?
最初のコメントを投稿しよう!