プロローグ 時の狭間で

1/1
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/193ページ

プロローグ 時の狭間で

 ずっと語り合っていた。  いつからだろう。  無限に閉じた空間。  身動きできず。  互いを目にすることもなく。  それでも声は止まず。  思いは届く。  風が鳴り、樹が擦れ、鳥がざわめき、言葉が死んでも、共鳴し続けた。  どうしてコイツだったのだろう。  どうして離れないのだろう。  いつが始まりだったのだろう。  始まり?  ――始まりとは?
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!