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「凶じゃないだけ、マシじゃと? お前はおみくじを舐めとんのかぁ!」
神は、神埼あかりの背中に思いの丈をぶつけた。
「いいじゃありませんか、細やかな願いごとくらいかなえてあげても」
ツッコミすぎて息を切らす神のもとに女神がやってくる。
「あれが細やかなのか? わしには贅沢な願いにしか聞こえなかったが」
「容姿と声がよければ、性格がクズでも幸せになれるなら可愛らしいものじゃないですか」
「性格がクズ......」
「容姿と声が良くても、何も出来ないマダオでも好きになれるなら、そのひとは愛情豊かなひとですね」
「それだけじゃないんだ、神埼あかりの奴は高収入な男がいいと願いおったんだ」
「お金ですか、収入がよくても使いかたがガサツなクズ子さんだと、いくらあっても足りませんわよ」
女神はクスクスと笑う。
「まあ、確かにそれも一理あるな。そうなれば、こちらからは神埼あかりのレベルに相応しい相手を用意しよう。神埼あかりと付き合う男は......」
「ツッコミノミコトさん、それは向こうからやって来たみたいですよ」
女神が指差した方向から、一人の男性がとぼとぼと歩いてくる。
「ほんとだ。マトモな願いしてくれるんだろうな」
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