ツッコミの神さま

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 「はぁ、神さま。オレ彼女が欲しいです。どうかご縁を下さい」  本殿にやってきた男は、財布から小銭を取り出すと、賽銭箱に投げ入れた。  「なるほどな。この男は神埼あかりと需要がマッチしているな」  「このひとなら、あかりちゃんとお付き合いさせてもいいんじゃないかしら?」  「願わくば橋本環奈みたいな可愛い女の子とお付き合いしたいです。どうか縁結びのほうをお願いします!」  男は二礼三拍手し、深々と頭を下げる。  「はああああっ!? は・し・も・と・か・ん・なですってえええ!?」  「おいおい、ネトラレノウズメよ! 圧が出とるぞ圧がっ! まあ落ち着け!」  ネトラレノウズメから強力な圧が出たことに、焦りを感じたノリツッコミノミコトは、慌てて諭す。  「自分の顔を鏡で見てからものをいいなさいよゴルァ!」  「先程は、イケメンやイケボは細やかな願いごとだと言っていただろう!」  「橋本環奈は可愛いいけど、イケメンではないからこの願いは例外よ!」  「めちゃくちゃな理屈だな!」  「んっ!! なんか神社の空気が変わったような気がするが、パワースポットだから神さまがオレにパワーを送って下さっているんだな? ありがとうございまーす!!」  「こちらからはなにも送ってないぞ!」  男はパワースポットからパワーを得たと勘違いし、更に願う。  「ついでにお金、一千万円下さいませ!」  「ビタ一文やらん!」  「それと車っ! ニッサンの電気自動車が欲しいです!」  「さっきの一千万円あったら一括でポンと買えるでしょ! というかそもそもここは縁むすび専門の神社なの! 金運が欲しいならよそに参拝しなさいっ!」  ネトラレノウズメは息を切らしながら、男性にそういった。
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