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一夜の喋り
一時間経った後、私の家の扉は今日二度目の音を放った。
「やあフラン、顔を合わせるのは久しぶりだ」
扉を開けた先にはフランケンシュタインの顔をしたフランが立っている。
少し不機嫌そうだけれど、一時間きっちりに来てくれた。
「相変わらずお前の顔も性格も変わらねぇな」
フランを家の中へ招き入れる。
すると彼は顔を歪めて私に言った。
「おい、ジャック。ここ人間が来たのか?」
「ん? ああそうだ、今日はハロウィンだから。初めて中に入れることになったけど、とっても楽しかった」
「そういうところだよなぁ。俺は人間が嫌いだっていうのに」
「そうだったな……すまない。少し舞い上がってしまったのと、あの子が帰ってから寂しくて」
「まあいいや。俺もお前に話があるって言っただろ? それも人間についてなんだ」
そんな会話をしながら廊下を歩き、リビングに着いた。
お菓子もどうぞと渡しながら、お茶も用意して話しを始める。
「で、フランの話って?」
「心して聞けよ。実はこの村に、異形殺しがいるらしいんだ」
その言葉に、私の頭は真っ白になった。
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