一夜の喋り

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「い、異形殺しって、あれだろ? 私たちのようなものを殺そうとする……」 「その中でも、ステークの家系らしい。そう、異形殺しをずっと生業とする家系だ。異形殺したちの、頂点」 私やフランは人間から異形と呼ばれる者たちだ。 寿命が人間よりも長く、顔が私であればジャックオーランタン、フランであればフランケンシュタインというような種族。 他にも魔女やヴァンパイア、ゾンビなど幅広い。 そして人間の中にはそんな私たちを神と崇める者もいれば、異形のものだと良しとしない者もいる。 もちろん、私たちのような種族を知らずに生涯を終える人間が一番多いのだが。 そんな中ハロウィンは私たちを崇める者が作り出した祭りで、いつからか十月三十一日は私たちにとってとても特別な日になっていった。 だからハロウィンは私たちにとって大切を大事にする日で、何にも代えられない日なのだ。 ……そんな日に、こんなことを聞くことになろうとは。 ちなみに私たち自身は自らのことを幸魔(こうま)と言っている。 人間が自ら人間だと名乗るように、私たちも幸魔だと。 それもあって、異形と呼ばれるのは好きではないし、なんせ異形殺しなんているのだ。本当は聞きたくもない単語である。 「で、どうしてこの街に?」 「そりゃ、俺らを殺すためだろうよ。て言ってもまだ誰も殺されていない。把握してないだけかもしれないけどな」 「まああいつらも、私たちを死体すら残さずすべて天に送っていくからな。把握していなくても仕方の無いことさ」 「そう言うわけだ。お前も気を付けろよ」
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